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泉佐野市大井関公園(実施設計)

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 泉佐野市大井関公園(0.5ha)は、日根神社に隣接する風致公園であり、公園中央の渓谷「ろじ渓」をはさんで、東西のエリアがある。園内にはサクラが多く、サクラの名所として親しまれているが、サクラが高齢となり損傷が激しく世代交代が必要な時期を迎えていたことや、サクラの季節以外の魅力に乏しいこと、親子で過ごせるよう子どもの遊び場が望まれていることなどの課題があった。これらを踏まえ、自然や歴史を感じられるダイナミックな風景を生かしより一層の魅力化を図るとともに、多様な憩い空間を創出し、多世代が楽しめる公園を目指した。

西側エリアは南北に長い敷地形状と、ろじ渓に向かう東西方向に高低差を有することが特徴であり、これらを活かした空間構成を検討した。健全なサクラが多く残る南北のゾーンは、木々に包まれてリラックスした過ごし方ができる「こもれびひろば」「さくらテラス」とした。そして南北をつなぐ有機的な園路を描き、それに沿ってあそびの要素を展開する「森の遊び場」を設け、奥へと誘う計画とした。

日根神社とつながる東側エリアは、地域から、使いやすく維持管理しやすいシンプルな空間が望まれていたため、桜まつりなどのイベントで利活用しやすい広さを確保した「ひろば」とし、地域の歴史が刻まれた井川用水沿いには桜の時期以外にも花を楽しめる低木植栽の提案を行った。

再整備にあたっては公園内の全てのサクラの健全度調査を実施し、健全なサクラは活かしながら根茎保護に配慮したゾーニングや施設計画を行い、衰退が著しかったサクラは伐採対象として新たなゾーニングに合わせて後継のサクラを植栽した。

 リニューアルオープンした公園では、サクラの開花に合わせて恒例の「桜まつり」が開催され、多くの人でにぎわった。また、新緑へと移ろうと、緑に囲まれた落ち着いた環境でゆっくりとした時間を楽しむ人や、ピクニックにくる親子の姿が見られるようになった。今後、新たに植栽したサクラや季節を彩る低木・地被類などが生育し、地域の景勝地・憩いの場としての魅力が育まれていくことを祈る。

名称:大井関公園改修測量設計業務

期間: 令和4年6月22日~令和5年3月4日

発注者:泉佐野市

所在地:泉佐野市上之郷

面積:約0.5ha

 

↓リニューアル前の様子

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